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歯磨き粉、どれを選ぶ?フッ化物の濃度がカギ!歯科医がやさしく解説

こんにちは!箕面市小野原の江口歯科医院の院長 江口壯壽です。普段みなさんがお使いの歯磨き粉。色々な効果がうたわれていますが、どれがいいのか?本当に効果があるのはどれかご存知ですか?今回は歯磨きドラッグストアや通販サイトで、種類豊富に並ぶ歯磨き粉。
「ホワイトニングに効果あり」「歯ぐきを引き締める」「口臭予防に!」と、さまざまな魅力的なコピーが並び、どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。
ですが、実はむし歯予防において科学的に効果が証明されている、かつ日本でも手軽に入手できる成分はたった一つしかありません。それが、**フッ化物(フッ素)**です。
今回は、お口の健康を守るうえで重要な歯磨き粉選びのポイントと、フッ化物濃度の見方について、普段から江口歯科医院でお話ししていることをわかりやすくご紹介します。
■フッ化物入りの歯磨き粉を選びましょう
むし歯予防で一番大切なのは、フッ化物が配合されているかどうかです。
フッ化物には、歯の表面を強くしてむし歯になりにくくする作用や、初期のむし歯を再石灰化によって修復する働きがあります。
どんなに高価な歯磨き粉でも、フッ化物が入っていなければ、むし歯予防の効果は期待できません。
必ず「フッ素配合」「フッ化ナトリウム(NaF)」などの表示があるかをチェックしましょう。
■フッ化物の濃度は6歳以上は1500ppm程度が効果的(6歳未満は1000ppm以下)
歯磨き粉に含まれるフッ化物の濃度にも注目です。
これまで日本では、安全性の観点からフッ化物の濃度は1000ppm以下に制限されていました。
しかし現在は、1000ppm以上〜1500ppmまでの高濃度製品が使用可能になり、市販でも手に入るようになっています。
高濃度フッ化物配合の歯磨き粉には、パッケージに「1450ppm」などと明記されています。
海外ではこの濃度が一般的で、むし歯予防効果も高いとされていますので、ぜひ取り入れてみてください。
※高濃度タイプ(1000ppm以上)の歯磨き粉は、6歳未満のお子さんには使用できませんのでご注意ください。
■お子さんには低濃度&少量を
「子どもにフッ素入りの歯磨き粉を使っても大丈夫ですか?」
多くの親御さんからこのような質問をいただきます。
乳幼児期はむし歯予防の最も重要な時期ですが、フッ化物の過剰摂取による「歯のフッ素症(白い斑点などの変色)」が心配されることもあります。
しかし、歯磨き粉を正しい量で使えば、フッ素症のリスクは非常に低いことが分かっています。
子どもへの使い方の目安:
- 6歳未満:1000ppm以下の子ども用歯磨き粉を使用
- 量は“小指の爪くらい”のごく少量
- 泡立ちが控えめで味がマイルドな製品が◎
保護者が仕上げ磨きをしてあげながら、すすぎ過ぎないようにしましょう。
■避けたい歯磨き粉の特徴
実は中には歯ぐきを傷つけたり、かえってお口のトラブルを引き起こしてしまう歯磨き粉もあります。
◆顆粒入りの歯磨き粉
ザラザラした粒が含まれている製品は、歯周ポケットやインプラント周囲に入り込み、炎症や腫れの原因となることがあります。
◆過度なホワイトニングをうたった製品
研磨剤が強すぎると、歯の表面のエナメル質を傷つけてしまい、逆に色素沈着や知覚過敏を招くことも。
市販品を選ぶ際は、パッケージ裏の成分表示を確認するようにしましょう。不安な場合は、歯科医院で販売されている歯磨き粉を使用するのもおすすめです。
■歯科専売の歯磨き粉と市販品の違いは?
歯科医院で販売している歯磨き粉は、
- 泡立ちが控えめ
- 香味がやさしく、すすぎすぎを防げる
- フッ化物濃度や使用目的が明確
といった特徴があります。
特に、歯磨き後に強くうがいをすると、せっかくのフッ化物が口の中から流れてしまうため、泡立ちの少ない専売品は、フッ素の効果を長く口内に留めることができます。
■まとめ|歯磨き粉選びも“自分に合ったもの”が大切
むし歯や歯周病の予防に欠かせない歯磨き粉ですが、正しく選び、正しく使うことでその効果を最大限に引き出せます。
ポイントまとめ:
- フッ化物配合(1500ppm程度。6歳未満は1000ppm以下)を選ぶ
- 子どもには低濃度&少量を
- 粒入り・強い研磨剤は注意
- 不安な場合は歯科医院専売品が安心
毎日の歯磨きを“予防の第一歩”にするために、ぜひご家庭でも見直してみてくださいね。