ブログ
院長ブログ
できるだけ削らない治療 ー虫歯治療をはじめる前に知っておきたいことー
【虫歯治療の落とし穴】削るほど歯の寿命は短くなる?|箕面市小野原 江口歯科医院
こんにちは。箕面市小野原の江口歯科医院、院長の江口です。
「虫歯ができたら削って詰めれば治る」と思っていませんか?
もちろん、進行した虫歯に対して「詰め物」や「被せ物」で対応する修復治療は必要な場面もあります。しかし実はこの**“削る治療”を繰り返すほど、歯の寿命は確実に短くなっていく**ことをご存知でしょうか?
今回は、なぜ修復治療を重ねると歯の寿命が縮まってしまうのか、そして歯を守るために今できることをご紹介します。
■修復治療は「治す」治療ではなく「補う」治療
虫歯になった歯を削って詰めたり被せたりする「修復治療」は、例えるなら**義手や義足、メガネのような“補綴治療”**です。
つまり、失われた歯質を補っているに過ぎず、虫歯の根本的な原因を取り除いているわけではありません。
しかも、歯は再生しません。一度削った部分は二度と戻らず、詰め物や被せ物の周囲から再び虫歯が進行することも珍しくありません。これを**二次カリエス(再発虫歯)**といいます。
実際に1本の歯に対して修復治療が可能なのは、平均5~6回が限界といわれています。つまり、治療を繰り返すたびに少しずつ削られ、やがては抜歯に至ってしまう可能性があるのです。
■“治療したのに再発”するのはなぜ?
修復治療は虫歯の穴をふさぐだけの処置なので、虫歯の進行を止める力はありません。
事故や故障した車(病気になった車)を修理(治療)しても新たな病気(事故)を防ぐことはできません。
そのため、治療後も虫歯の原因が変わらなければ、数年後には再治療が必要になることが多いのです。
では、虫歯の進行を本当の意味で抑えるにはどうすればいいのでしょうか?
事故(病気)に遭わないためには、交通ルール知り、安全運転を心がけることが大切です。
答えは、虫歯の原因を見直して改善すること=原因療法にあります。
虫歯を再発させないために必要な「4つの原因療法」
① プラーク(歯垢)をしっかり除去
虫歯の原因菌が棲みつくプラークは、食べかすではなく細菌の塊です。
歯ブラシだけでなく、歯と歯の間にはデンタルフロスや歯間ブラシを使って、毎日のケアでしっかりと除去しましょう。
加えて、フッ化物入りの歯磨き粉を使うことで、歯を強化しながら虫歯予防ができます。
② 食生活の見直し
甘いものを頻繁に摂ると、口の中が酸性に傾き、虫歯が進行しやすくなります。
とくに注意したいのは、アメやチョコ、ジュース、スポーツドリンクなどをだらだらと摂取する習慣です。
また、夜間の飲食は唾液の分泌が減るため、虫歯リスクが一気に高まります。
間食の頻度を減らし、規則正しい食習慣を心がけましょう。
③ 唾液の力を活かす
唾液には口の中を中性に保ち、虫歯菌を洗い流す働きがあります。
しかし加齢やストレス、薬の影響などで唾液の分泌が減ると、虫歯ができやすくなります。
シュガーレスガムを噛んで唾液を促進することや、水分補給をこまめに行うことで唾液の働きをサポートしましょう。
④ フッ化物の正しい使い方
フッ化物は歯の再石灰化を促し、初期の虫歯を修復する力を持っています。
歯磨き粉は「フッ素配合・1500ppm程度(6歳未満は1000ppm以下)」のものを選び、磨いた後のうがいは控えめにするとより効果的です。
歯科医院では、高濃度フッ素塗布やフッ素洗口液の指導も行っていますので、お気軽にご相談ください。
定期的な歯科チェックで「削らない予防」を
虫歯はとても進行の遅い病気です。初期段階で見つけられれば、削らずに管理することも可能です。
しかし、患者さんご自身では変化に気づきにくく、痛みが出た頃には進行していることがほとんどです。
だからこそ、定期的な歯科検診で早期発見・早期対応することが何よりも大切です。
当院では、ブラッシング状態や食生活の確認などを含めて、患者様の生活に寄り添った予防管理を行っています。
まとめ|“削らずに守る”治療を目指して
- 修復治療は回数に限界があり、歯の寿命を縮める
- 虫歯は「削って終わり」ではなく「原因を改善してこそ予防できる」
- プラーク除去・食生活・唾液・フッ化物を見直して再発を防ぐ
- 定期検診が“削らない予防”への第一歩
箕面市小野原で虫歯の予防・再発防止なら江口歯科医院へ
江口歯科医院では、できるだけ削らない・抜かない治療を大切にしています。
「また虫歯になってしまった…」「何度も同じ歯を治療している」そんなお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。
予防こそが、歯を守る最良の治療です。