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院長ブログ
歯がしみる…それ、知覚過敏?それとも虫歯?気になる症状をチェック!
冷たい飲み物を口にしたとき、「キーン!」と鋭い痛みを感じた経験はありませんか?
「これって知覚過敏?それとも虫歯?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
そんなときはまず、知覚過敏の症状やその原因、虫歯との違いを知ることから始めてみましょう。
◆知覚過敏とは?
知覚過敏とは、歯の表面を覆うエナメル質が薄くなったり、歯ぐきが下がったことで象牙質が露出し、冷たい水や甘いものなどの刺激が神経に伝わりやすくなった状態です。特に30代以降の女性は、ホルモンバランスや加齢による変化で歯ぐきが下がりやすくなるため、知覚過敏を感じやすくなります。
知覚過敏の症状について 虫歯との違い
知覚過敏の症状としてよく知られているのは「冷たいものにしみること」ですが、虫歯の場合は無症状なことが多く、大きく進行するにつれてと冷たいもの、甘いもの、熱いものにしみるようになります。
虫歯とは違う症状の一つに、「知覚過敏の痛みはすぐにおさまる」というものがあります。虫歯の場合はしみてからしばらく痛みが続くことが多いのです。
知覚過敏と虫歯は、その痛みの特徴やタイミングに違いがあります。
知覚過敏の主な症状
- 冷たいもの・甘いもの・風などの刺激で一瞬だけ鋭くしみる
- 刺激がなくなると痛みもすぐにおさまる
虫歯の特徴
- 初期は無症状で進行してからしみることが多い
- 冷たいもの・甘いもの・熱いものにしみる
- しみた後も痛みが持続することがある
※痛みの感じ方には個人差があります。気になる症状がある場合は、自己判断せず歯科医院での診断をおすすめします。
歯がしみる・痛くなるメカニズム
知覚過敏で歯がしみるのは、どうしてでしょうか?そのメカニズムを解説していきます。

かんたんに説明すると、歯には殻にあたるエナメル質・内部の本体である象牙質・さらにそのなかに歯髄神経という構造になっています。エナメル質はしみることはないのですが、歯にヒビが入ったり、歯茎の下の根っこ(象牙質)が露出したりすると外からの刺激に反応するようになります。
すると冷たいものや歯ブラシなどの外的刺激を受けることで、象牙質を通して歯髄神経に伝わりしみるようになると言われています。
知覚過敏の原因はこんなにある!
◆ 強いブラッシング習慣
硬い歯ブラシで力を入れて磨くと、少しずつ歯ぐきが下がり、象牙質が露出しやすくなります。
◆ 歯ぎしりや噛みしめ
無意識に歯をこすり合わせる癖があると、エナメル質が摩耗して象牙質が露出するリスクが高まります。
◆ 酸性の飲食物
柑橘類や炭酸飲料、酢の物などを頻繁に摂ると、エナメル質が酸で溶けて薄くなり、象牙質が出やすくなります(酸蝕歯)。
知覚過敏の治療法と対処法
◎ 詰める?神経を抜く?ちょっと待って!
知覚過敏は進行性の病気ではありません。症状に対して過度な治療(神経を抜く、詰め物をする)は、かえって歯の寿命を縮めてしまう恐れがあります。
◎ 痛みのコントロールは「刺激の遮断」がカギ!
- 歯科医院でのしみ止め薬の塗布
- 知覚過敏専用の歯磨き粉の使用(継続使用が効果的)
- 歯ぎしり予防のためのマウスピース装着(ナイトガード)
◎ 原因を見直して予防へ
歯科での定期的なチェックも予防につながります
毎日のブラッシングは“やさしく”
酸の多い食品は摂りすぎに注意
原因の除去を!
普段のブラッシングの仕方や食生活習慣に心当たりのある方は普段の習慣を見直して診てはいかがでしょうか?知覚過敏は安易に削らなくてもコントロールすることはできる病気です。
最後に|削る前にできることがあります
「しみる=削る・詰める」と思い込んでいませんか?
知覚過敏は正しくケアすれば、削らずにコントロールできる可能性が高い症状です。
もし歯がしみてお困りなら、まずはご自身のブラッシングや生活習慣を見直してみましょう。そして、気になる症状は早めに歯科医に相談することが、健康な歯を守る第一歩です。