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院長ブログ
虫歯ではないのに歯が痛い! ~歯ぎしり、食いしばりについて~
最近、歯ぎしりや食いしばりなどで顎や歯の痛みなどの症状に悩まされている方が多くなっているような気がします。歯ぎしりや食いしばりについてお話したいと思います。
歯ぎしり、食いしばりの種類
歯ぎしりというと、ギシギシとかキリキリといった音を立てるもの、とだけ思っていませんか。実は歯ぎしりには、次のような種類があります。
グラインディング
上下の歯をこすり合わせる、一般的な歯ぎしりのことです。
寝ているときに下顎を左右に繰り返し動かすため、「ギリギリ」という嫌な音が出ます。
クレンチング
俗に言われる食いしばりのことで、上下の歯を強く噛みしめる癖のことです。
音が出ないのが特徴です。
タッピング
上下の歯を続けてぶつけるタイプの歯ぎしりです。
下の顎をすばやく動かして上下の歯を噛み合わせるため、「カチカチ」といった音が出ます。
歯ぎしり、食いしばりの影響
1 歯のすり減り、破損
寝ている間(無意識下)の歯ぎしりは、食事などでおこなう咀嚼時とは違い、本人の体重、またはそれ以上の力が加わるといわれています。歯と歯が大きな力で擦り合うため、歯のの凹凸が徐々に失われだけでなく酷い場合は歯が欠けたり、割れてしまうこともあります。
2 歯周病の進行を早める
歯ぎしりによって強い力がかかるのは、歯だけではありません。歯を支える歯茎や骨にも悪影響を及ぼします。
歯周病のコントロールなされていない場合、強い力がかかることで歯が揺さぶられ、それを支える骨が徐々に溶かされ始めます。歯ぎしりなどの強い力が加わると、歯周病の進行が早くなってしてしまいます。
3 知覚過敏になる
歯が磨耗して内部の象牙質が露出したり、表面のエナメル質に目に見えないような小さな亀裂が入ると歯の内部に刺激が伝わって知覚過敏を起こしたりします。
4 顎関節や周りの筋肉への負担
歯ぎしりによる負担は、歯だけでなく顎を支える関節にも大きな負担をかけたり筋肉が過緊張を起こしたりします。耳の手前あたりや顎、側頭部や首、肩などのハリやだるさ、痛みの原因にもなります。
歯ぎしり、食いしばりはストレスや日常の生活習慣(クセ)などが関わっていると考えられています。「歯ぎしりくらい大丈夫」と考えていると、気づかないうちに大切な歯や顎に大きなダメージを負ってしまうかもしれません。歯ぎしりの症状に心当たりのある方は、一度歯医者さんで相談してみてはいかがでしょうか。