ブログ
院長ブログ
【ドライマウス(口腔乾燥症)とは?】原因・症状・対処法をわかりやすく解説
前回は唾液のはたらきや唾液が少なくなるとどうなるかについてお話をしました。「口がネバネバして話しづらい」「夜中に喉が渇いて目が覚める」「食事がしにくい」——
こういったお悩みを感じていませんか?それはもしかすると**ドライマウス(口腔乾燥症)**かもしれません。
とくに更年期や加齢にともなって、女性に多く見られる症状で、放っておくとむし歯や歯周病、味覚障害につながることもあります。今回は唾液が少なくなる原因と唾液を増やすための方法についてのお話です。
ドライマウスとは?
ドライマウスとは、唾液の分泌量が減少して、口の中が乾いた状態が慢性的に続く症状のことを指します。医学的には「口腔乾燥症」とも呼ばれ、50歳以上の女性に多く見られる症状です。
主な症状
- 口の中がネバネバする
- 舌がヒリヒリする
- 食べ物が飲み込みにくい
- 味がわかりにくい
- 口臭が気になる
- 入れ歯が痛く感じる
これらの症状が続く場合は、単なる「乾燥」ではなく、医師の診断を受けたほうがよいかもしれません。
原因はさまざま:加齢・薬・ストレス
ドライマウスにはいくつかの原因があります。
1. 加齢や更年期
女性ホルモンの変化により、唾液の分泌量が低下することがあります。
2. 薬の副作用
高血圧、糖尿病、うつ病、アレルギーなどの薬の中には、唾液分泌を抑える成分が含まれていることがあります。
3. 生活習慣・ストレス
口呼吸や喫煙、ストレスによっても唾液の分泌は減少します。
4. 全身疾患
シェーグレン症候群や糖尿病、腎不全などの疾患でも、ドライマウスは現れることがあります。
ドライマウスの対処法・治療法
症状に応じて、セルフケアと歯科医院でのケアを組み合わせるのが理想です。
● 自宅でできる対策
- こまめな水分補給(常温の水やお茶)
- 口腔用保湿ジェルやスプレーの使用
- 無糖のガムやタブレットで唾液促進
- 部屋の加湿
● 歯科医院でのケア
- 唾液腺マッサージ
- 唾液分泌を促す機能回復訓練
- 口腔内保湿剤の処方
- 定期的な口腔清掃・衛生管理
特に「原因がはっきりしない乾燥」が続く場合は、口腔内の専門的評価が重要です。
唾液腺のマッサージ
1.耳下腺のマッサージ
耳たぶの横辺りの頬に人差し指から小指までの4本を当てます。後ろから手前に向かって円を描くようにマッサージします。

2.舌下腺、顎下腺のマッサージ
両手の親指をそろえて顎の下や顎の内側のくぼみに当てて、やさしく押し上げる。


唾液腺は筋肉のように使わないと衰えて、唾液の分泌機能が低下してしまいます。唾液腺のマッサージは食事の前に行うと効果的ですので、気になる方は試してみたらいかがでしょうか?
ドライマウスを放置するとどうなる?
唾液には、口腔内の細菌の増殖を抑える「自浄作用」や「再石灰化作用」があります。唾液の減少は、むし歯や歯周病のリスクを大きく高める原因になります。
さらに、入れ歯が合わなくなる、会話がしにくくなる、味が感じづらくなるなど、生活の質(QOL)にも影響します。
まとめ:気になる口の乾きは、早めに相談を
ドライマウスは、年齢や体調の変化に敏感な女性に多い症状です。気になる症状があれば、無理に我慢せずに歯科医院へご相談ください。
当院では、専門的な口腔内の診査を行い、お一人おひとりに合った対処法をご提案しています。