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乳歯が生え変わらない?考えられる原因と正しい対応法

お子さまの歯がなかなか生え変わらず、心配されているお母さま方は多いのではないでしょうか?「同じ年の子は永久歯がもう生えているのに…」「このままで大丈夫?」と、不安に感じるのも無理はありません。

今回は、乳歯が生え変わらない原因とそのときに取るべき対応について、歯科医師の視点からわかりやすく解説します。

歯科医院には乳歯が抜けなかったり、生え変わらなかったりして心配されているお母さんも来られます。通常、5歳から14歳くらいに乳歯列から永久歯歯列に変わります。しかし、乳歯が抜けずに残ってしまうこともあります。残った乳歯が永久歯への交換を邪魔して歯並びを悪くしたり、永久歯がないこともあります。

 1. 通常の歯の生え変わりの時期

乳歯は生後6ヶ月ごろから生え始め、6歳前後から順番に永久歯に生え変わります。この生え変わりはおおむね12歳頃までに完了しますが、個人差は大きく、早い子もいれば遅い子もいます

生え変わりの一般的な順番

9~12歳:犬歯、小臼歯、第二大臼歯

6歳頃:下の前歯(中切歯)と第一大臼歯

7~8歳:上の前歯

乳歯から永久歯への交換のメカニズム

永久歯はまず顎の骨の中で徐々に歯の頭(歯胚)が作られます。永久歯の歯胚は根が作られるにつれて乳歯のの根っこを吸収していきます。乳歯の根の吸収が進むと、乳歯は根の支えがなくなってグラグラして抜けるようになります。乳歯が抜けた部分から永久歯が出てくることで交換が起きます。

乳歯の歯の本数は20本、永久歯は親知らずを除いて28本あります。永久歯への交換期は顎の骨の成長期です。交換期の初期には乳歯列の後ろに6歳臼歯、交換期の終わり頃に12歳臼歯が新たに生えてきます。

2. 乳歯が抜けない主な原因

通常よりも遅れている場合、以下のような原因が考えられます。

(1)永久歯が正しい位置に生えてこない

永久歯が本来の位置とは違うところから生えてしまうと、乳歯の根をうまく溶かせず、乳歯が自然に抜けないことがあります

(2)永久歯の欠如(先天性欠如)

生まれつき、永久歯がもともと存在しない場合があります。最近は10人に1人の割合で見られるという報告もあり、レントゲン検査での確認が必要です。

(3)乳歯癒着・骨性癒着

乳歯が骨と癒着してしまうことで、自然な脱落が妨げられることがあります。この場合は専門的な処置が必要です。

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3. 永久歯が生えてこないケースも?

「乳歯が抜けたのに、なかなか永久歯が出てこない…」という場合もあります。以下のようなケースが考えられます。

  • 永久歯の位置が深すぎる
  • 障害物(過剰歯や嚢胞など)がある
  • 噛み合わせや顎の発育に異常がある

このようなときも、レントゲンで状況を把握し、必要に応じて小児歯科や矯正専門医との連携が行われます。

 

乳歯の交換が遅れているときの対応法

「幼稚園や小学校などのお友達の歯が生え変わっているのにウチの子はまだ生えて来ない、、、」

よくこのような相談を受けることがあります。まずしておきたいことは永久歯の歯胚があるかどうか確認することです。5歳頃に歯医者さんでレントゲンを撮ってもらって歯胚の様子を確認してもらいましょう。

 

永久歯がずれて生えてきているとき

顎の骨が小さい場合など、永久歯の生えてくる方向がずれてしまうと乳歯の根が溶けずに、いつまでも乳歯が抜けずに残ってしまうことがあります。このような場合は生えてくる永久歯の歯並びがずれてしまうので早めに乳歯を抜歯してもらいましょう。

 

過去にぶつけたりしたことがないか?

生え変わりが遅い時、過去にその辺りをぶつけたりしたことはないでしょうか?そのような経歴がある時は生え変わりが遅くなることもあります。歯医者さんで定期的にレントゲンで確認してもらいましょう。

 

乳歯の抜ける時期には個人差が大きい

周りのお友達よりも交換が遅くてもあまり心配しないでください。子供の成長には個人差が大きいので、5歳くらいで抜ける子もいれば8歳になっても抜けない子もいます。平均より2年経っても乳歯が抜けないようであれば、一度歯医者で永久歯があるか確認してもいいのではないでしょうか。

4. 受診のタイミングと治療法

以下のような場合は、早めに歯科医院の受診をおすすめします。

  • 周囲の子より生え変わりが明らかに遅れている(1年以上)
  • 乳歯の後ろから永久歯が見えているのに乳歯が抜けない
  • 噛み合わせや歯並びが明らかに乱れてきた
  • 生え変わりに左右差がある

治療の選択肢

  • 乳歯の抜歯:必要に応じて乳歯を抜き、永久歯の萌出を促します。
  • 矯正治療:生え変わりや歯並びの問題が大きい場合、早期の矯正が有効です。

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5. おうちでできるケアと注意点

  • グラグラしてきた乳歯は、無理に抜かず見守る
  • 硬いものを噛むことで自然に抜けることも
  • 歯ブラシでの清掃は丁寧に(炎症や虫歯を防ぐ)

お子さまに「抜けないのは変なんだ」と思わせないよう、安心感を与える声かけも大切です。

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6. まとめ

乳歯が生え変わらないときは、永久歯の状態や位置に異常があることもあります。成長や個人差によるケースも多いため、焦らず、しかし放置せずに歯科医院でのチェックを行うことが大切です。

お子さまの健やかな歯の成長のためにも、「おかしいかも?」と思ったら、ぜひご相談ください。

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