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【外傷歯の治療】歯をぶつけた・折れたときの正しい対処法と治療法

はじめに:突然の歯のケガ、どうすればいい?

「子どもが遊んでいて前歯をぶつけた」「転倒して歯が欠けた」「交通事故で歯が抜けた」——そんな突然の外傷は、年齢や性別を問わず誰にでも起こりうるものです。特に30〜60代の女性は、家族のケアに関わることも多く、子どもやご自身の口腔ケガの対応について不安を抱える方も多いのではないでしょうか?

この記事では、外傷歯に関する基本的な知識から、応急処置・治療法・予後の管理までをわかりやすく解説します。

外傷歯とは?どうして起こるの?

「外傷歯」とは、外部からの衝撃によって歯や歯周組織に損傷が起こる状態のことです。主な原因には以下のようなものがあります。

  • 転倒やスポーツ時の接触
  • 交通事故や転落
  • 硬い物を噛んだ衝撃
  • 子どもの遊び中の接触

症状は、歯のぐらつき、破折、脱臼、歯根破折など多岐にわたります。

 

歯が抜けた(完全脱臼)場合

  1. 歯を乾燥させない:歯を優しく洗って牛乳に浸すか、口の中に含んでおきましょう。
  2. 歯根部には触れない:歯の頭(歯冠部)のみを持つようにします。
  3. できるだけ早く歯科へ:再植できる時間は30分以内が理想、遅くとも1時間以内が目安です。

歯がぐらつく・折れた場合

無理に動かしたり、食事で使わないように注意しましょう。

口腔内を清潔に保ち、なるべく刺激を与えないようにします。

氷などで頬を冷やすことで腫れの軽減にもつながります。

外傷歯の治療法:歯を保存するためにできること

外傷の種類によって治療法は異なりますが、可能な限り「歯を残す」ことを基本としています。

1. 歯の再植(再植術)

完全に抜けた歯を元の位置に戻す治療です。成功率は時間との勝負。できる限り早く来院してください。

2. 歯の固定

ぐらつきのある歯を隣接歯と一時的に連結し、動かないようにして自然治癒を待ちます。

3. 根管治療(歯内療法)

歯の神経が損傷した場合、感染を防ぐために歯髄(神経)を取り除き、内部を消毒・密封します。

4. 歯冠修復・被せ物

歯が一部欠けてしまった場合は、レジン充填やクラウンで補綴し、咬合機能を回復させます。

外傷歯は予後管理が重要

外傷歯は治療が終わった後も「しっかりと経過観察」を行うことが必要です。歯根吸収や歯の変色、歯周病のリスクなど、時間が経ってから問題が現れることもあります。

定期的なチェックとレントゲンによる診査を通じて、早期対応を心がけましょう。

ケガが治ってからも長い経過をみていくことが大切です。

症状が軽い場合でも、その後しばらくしてから歯が変色したり、歯ぐきが腫れてくることがあります。また、乳歯の場合は後から生えてくる永久歯に影響を与えることがありますので、定期的にチェックして、受傷した歯の状態と次の永久歯の生え方を長期的に観察していく必要があります。

よくある質問(Q&A)

Q. 折れた歯の破片は持って行ったほうがいいですか?
→はい。破片の状態によっては接着して元通りに修復できることもあります。

Q. 痛みがない場合でも歯科に行くべき?
→はい。無症状でも神経や歯根にダメージがある可能性があるため、必ず受診しましょう。

まとめ

歯の外傷は予測できない出来事ですが、「正しい初期対応」と「迅速な治療」が歯の保存につながります。もしものときに落ち着いて行動できるよう、ぜひこの記事を参考にしてください。

外傷歯の疑いがある場合は、速やかに当院までご相談ください。経験豊富な歯科医師が丁寧に対応いたします。

口腔外科

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