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院長ブログ
たくさんとっても大丈夫? ~歯科用レントゲンの被曝量について~
歯医者さんでは診察の時にレントゲンを撮りますが、レントゲンの体への影響や、妊娠中の場合お腹の中の赤ちゃんへの影響について心配な方も多いのではないでしょうか。歯は骨のように硬い組織なので、レントゲンを撮らなくては正確な診断をすることができないことが非常に多いのです。「被曝って体に悪いのでは?」そんな疑問にお答えするために、今回は歯科用レントゲンの被曝量について、わかりやすくご紹介します。
歯医者さんのレントゲンとは?
結論から言うと、歯科用レントゲンによる被曝量は非常に少なく、人体への影響はごくわずかです。
例えば、一般的なデジタルレントゲン(デンタル撮影)1枚あたりの被曝量は、約0.005ミリシーベルト(mSv)。これは、飛行機で東京からニューヨークまで移動する際に受ける宇宙放射線(約0.2mSv)のわずか数パーセントに過ぎません。
パノラマレントゲン(お口全体を撮影するもの)でも約0.01〜0.02mSv程度とされており、健康被害が心配されるレベルには達しません。
歯医者さんで撮るレントゲンは歯や顎の骨などの硬い組織の状態を確認するために撮影します。レントゲンの検査によって虫歯や顎の骨にできた変化、副鼻腔炎なども確認することがでます。また、最近はCTレントゲンなどの普及に伴って3次元的に顎の状態を確認することもできます。CTはインプラント治療においては必須の検査となっています。
歯医者さんで撮るレントゲンの被ばく量とその他の被ばく量との比較
歯科用CTやレントゲン撮影で受ける放射線量は、以下のようになります。
歯科CTやレントゲンで受ける放射線量
- 歯科用CT : 0,1mSv / 1枚
- 口の中に入れて撮影する小さい写真(デンタル) : 0.01mSv / 1枚
- お口全体が撮影できる大きい写真(パノラマ) : 0.03mSv / 1枚
人間の体に問題を起こさない放射線の被ばく量の限界は200mSVです。歯科で行われるレントゲンは、一年間の限度とされる値の10〜100分の1程度の値であり、胸部や胃のX線検査で浴びる放射線被ばく量よりも少ない値です。

より詳しい資料はこちらです。
なぜレントゲン撮影が必要なの?
レントゲン撮影は、目に見えない歯や骨の状態を把握するために不可欠です。
例えば次のような場面で役立ちます。
- 虫歯の進行具合の確認
- 歯周病による骨の状態の把握
- 親知らずの位置や生え方の診断
- インプラントや矯正治療の事前検査
レントゲンを使うことで、見逃してしまうリスクを防ぎ、正確な診断と治療が可能になります。
最新のデジタルレントゲンでさらに安心
近年では、多くの歯科医院がデジタルレントゲンを導入しており、被曝量はさらに抑えられています。
従来のフィルムタイプに比べ、最大で80%以上も被曝量が軽減されているケースもあります。
また、撮影時には鉛の防護エプロンを着用することで、体への影響をさらに減らす配慮も行っています。
レントゲンが赤ちゃんに影響しないの?
基本的に、必要最小限の撮影に留めるため、妊娠中の方や小さなお子様にも配慮しています。
妊娠初期などの特別な時期には、撮影の必要性を慎重に判断し、場合によっては延期することもあります。ご不安な場合は、遠慮なくご相談ください。
安心して治療を受けるために
レントゲン撮影による被曝量は、日常生活の中で受ける自然放射線と比べてもごくわずかです。
適切な診断と安全な治療のために欠かせないものですので、どうぞ安心して治療に臨んでください。
【まとめ】
- 歯科用レントゲンの被曝量は非常に少ない
- 正確な診断・治療には不可欠
- デジタルレントゲンでさらに安心
- 小児・妊娠中にも配慮した対応あり
お口の健康を守るためにも、正しい知識を持って、安心して歯科医院をご利用ください。