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院長ブログ
歯ぐきが下がってきたら要注意!高齢者に多い「根面カリエス」とは?削らずに治す新しい治療法
年齢を重ねると、体と同じようにお口の中にもさまざまな変化が現れます。その一つが「歯ぐきの退縮(たるみ)」です。歯ぐきが下がると、これまで歯ぐきに覆われていた**歯の根っこ(歯根)**が見えてくるのですが、この部分が虫歯になりやすくなることをご存知でしょうか?
この歯の根元にできる虫歯のことを「根面カリエス(根面う蝕)」と呼び、特に高齢者に多く見られる症状のひとつです。
根面カリエスってどんな虫歯?
根面カリエスは、歯の根の部分(象牙質)にできる虫歯です。通常の虫歯(エナメル質にできるもの)に比べて柔らかく、虫歯菌が浸食しやすいため、進行が早いのが特徴です。
特に以下のような方はリスクが高まります:
- 加齢により歯ぐきが下がっている
- 歯周病の既往がある
- 歯ぎしりや強いブラッシングがある
- 唾液が少ない(薬の副作用や加齢)

初期の根面カリエスは「削らず治せる」可能性も
従来、虫歯が見つかれば「削って詰める」のが一般的でしたが、近年では「非切削で進行を抑える」という治療法が注目されています。
これは、「根面う蝕の診療ガイドライン-非切削でのマネジメント-」でも推奨されている考え方で、以下のようなケアで虫歯の進行を食い止めることが可能です。
削らずに進行を止めるための3つのポイント
① フッ素の活用
- フッ素入り歯みがき剤(1,450ppm推奨)を毎日使う
- 歯科医院でのフッ素塗布を定期的に受ける
フッ素は象牙質にもよく効き、虫歯の進行を抑えてくれます。
② 唾液分泌のサポート
- よく噛んで食べる
- 唾液腺マッサージ
- キシリトールガムを利用する
唾液には自然の「お口の洗浄液」としての役割があり、虫歯菌を抑える働きがあります。
③ 生活習慣の見直し
- 甘い飲み物や間食を控える
- 食後に必ず歯を磨く
- 糖分を控えた食品を選ぶ
根面カリエスは、長時間お口の中に糖分が残ることでも進行しやすくなります。
定期的な歯科チェックが何より大切
根面カリエスは痛みが出にくく、気づきにくいのが特徴です。そのため、知らないうちに虫歯が進行し、神経の治療や抜歯が必要になるケースも少なくありません。
だからこそ、定期的な歯科受診がとても重要です。初期の段階であれば、削らずに守れる歯もたくさんあります。
江口歯科医院では、根面カリエスの早期発見・進行予防に力を入れています
当院では、患者さま一人ひとりの口腔状態に合わせた予防中心の治療計画を立て、できる限り「削らず守る」アプローチを行っています。
ご自身だけでなく、ご家族のケアにもぜひお役立てください。