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院長ブログ
どれが長持ちする?インプラント・ブリッジ・入れ歯の「予知性」の違いとは
「この治療、本当に長持ちするの?」と不安な方へ
歯を失ったとき、治療の選択肢としてよく挙げられるのが「インプラント」「ブリッジ」「入れ歯」の3つです。しかし、治療を受けるうえで最も気になるのは「どれが一番長持ちするの?」ということではないでしょうか?
本記事では、それぞれの治療法の予知性(よちせい)=「どれだけ安定して長期間使えるか」について解説いたします。
インプラントの予知性
インプラントは人工歯根を顎の骨に埋め込み、骨と結合させて支える治療法です。近年の研究では、10年後の生存率が95%以上と非常に高く、長期的な安定性に優れた治療法とされています。
特に、「口腔インプラント治療指針2024」においては、メインテナンスを適切に行った場合、20年以上機能する症例も多く報告されていることが明記されています。
✔ 予知性を高める要因:
- 骨との結合(オッセオインテグレーション)
- 支台歯の削除不要
- 咬合力分散の設計が可能
- 定期的なメインテナンスでの安定(重要!)
ブリッジの予知性
ブリッジは、失った歯の両隣の歯を削って支えとし、その上に橋渡しするように人工歯を固定する方法です。
寿命は7〜10年程度とされますが、支えとなる健康な歯を削ることで、その歯に負担がかかる点がデメリットです。
また、支えになる歯の神経がない状態だと予知性はさらに下がる傾向があります。
✔ リスク要因:
- 支台歯の虫歯・歯周病によるトラブル
- 咬合力の一部が支台歯に集中する
- 清掃性が低く、二次的な疾患を招きやすい
入れ歯の予知性
部分入れ歯や総入れ歯は、歯ぐきや残存歯にバネや床を引っかけて支える取り外し式の補綴物です。
寿命は5〜7年程度が目安。時間の経過とともに歯ぐきの形が変化し、合わなくなるケースが多く、調整や再作製が必要です。
✔ 予知性を下げる要因:
- 顎堤の吸収(骨がやせて合わなくなる)
- 支えとなる歯の脱落
- 使用中の脱着の繰り返しによる破損
比較表:治療別予知性と寿命
補綴方法 | 一般的な寿命 | 予知性 | 主なリスク |
---|---|---|---|
インプラント | 10〜20年以上 | ★★★★★ | 骨の質、清掃不良 |
ブリッジ | 約7〜10年 | ★★★☆☆ | 支台歯のダメージ |
入れ歯 | 約5〜7年 | ★★☆☆☆ | 骨吸収、支台歯の喪失 |
患者さんにお伝えしたいこと
予知性の高さ=「将来を見据えた安心の治療選択」といえます。インプラントは費用や手術の必要性というハードルがありますが、長い目で見て最も身体に優しい選択肢であることが多いです。
もちろん、すべての患者様にインプラントが適しているとは限りません。骨量や全身疾患、生活習慣などを総合的に判断する必要があります。
実際には患者さんそれぞれの要望や予算などをお伺いしながらどの治療が満足を得られるのか一緒に考えながら進めていきます。
またインプラントは人工臓器であるので定期的なメンテナンスに通うことが大切です。
江口歯科医院では
箕面市小野原の江口歯科医院では、患者様のライフスタイルやご要望に応じた補綴治療をご提案しています。インプラントに限らず、ブリッジや入れ歯のご相談もお気軽にどうぞ。