予防歯科
お口の健康を守る
予防歯科とは虫歯や歯周病になってからの治療ではなく、病気にならないように予防していくことです。すでに欧米では予防歯科が浸透し、歯科医院で定期にメンテナンスを受けて日頃から歯科医師や歯科衛生士と一緒に歯とお口の健康づくりを実践しています。
当院では、定期的にお口の中を検診・クリーニングすることで、患者様のお口のきれいを保てるようお手伝いいたします。
歯を失うということ
虫歯も歯周病も初期は無症状であることが多いので問題を自覚して(歯に穴があいた、歯がグラグラしてきた、痛みが我慢できない)からの来院だとかなり進行した状態であることが多くなります。従来の歯を削って詰める修復治療は、壊れた歯を治してものが噛めるようになりますが、虫歯にならなくなるわけではありません。再発や再治療を繰り返したり、病気があまりに進行した歯は抜歯の危険性が高くなります。歯を失えばものが食べられなくなっていきます。
「食べる」ことは人間が生きていくうえで欠かせない行為ですから、歯を失うことはとても大変なことなのです。近年の高齢化社会の中で「噛める」「食事ができる」ご年配の方は「噛めない」方よりも病気が少なく、医療費も少なく、健康で質の高い生活を送られていることが分かってきました。また、お口は「食べる」ためだけでなく、「話す」「笑う」といった人間の生活に大切な器官です。歯を失うことは生活の質を保つ上で重大な問題にもなり得るのです。
お口の健康を守るために
虫歯も歯周病も細菌が関与する病気です。歯とお口の健康を守るためには、病気の原因である細菌のかたまりをとり除く必要があります。歯と歯の間や歯ぐきの隙間の細菌は家庭でのブラッシングだけでは取り除くことは難しく、また病気はそういったところから始まります。病気を起こさないようにするには、歯科医院で専門的な器具を使って家庭のブラッシングでは取り除けない隙間をクリーニングする必要があるのです。
生涯を健康なお口で過ごしていくためには、歯科医院で定期的にメンテナンスを受けて『プロフェッショナルケア』と歯科医師や歯科衛生士の指導に基づいた毎日の『セルフケア』が大切です。
-
プロフェッショナルケア
セルフケアでは落とせない隙間の汚れを専用の器具で落としたり、高濃度のフッ素を歯に塗布したり、普段のセルフケアの指導を行います。
歯ぐきの溝などの細かな隙間には12〜16週でもとのように細菌が増殖した状態に戻ると言われています。プロフェッショナルケアは歯周病や虫歯の再発を予防するためには欠かせません。 -
セルフケア
毎日歯をみがいていても、虫歯になってしまったことはありませんか?自分ではきちんとブラッシングしているつもりでも、磨き残しができてしまうものです。当院では正しいブラッシング方法の指導やお口にあった歯ブラシや補助器具、歯磨き剤などをご紹介しております。
プロフェッショナルケア
-
PMTC
歯科衛生士が専門の機械を使って、歯の表面を磨き上げます。普段の歯磨きでは取りきれないプラーク(歯垢)や汚れを隅々まできれいにでき、処置後は汚れが付着しにくくなります。
-
スケーリング
専用の器具を使って、歯の表面や歯周ポケットのプラーク(歯垢)・歯石を取り除きます。歯磨きだけでは取りきれない歯石をも落とし、細菌の少ないお口環境を維持しやすくなります。
-
ブラッシングなどの
お口の健康指導(OHI)歯磨きの方法は人によりそれぞれですが、自己流の磨き方では磨き残しがある場合も多いです。当院では、一人ひとりのお口や歯並びに合わせた歯磨きなどのお口のケアのアドバイスさせていただきます。
セルフケア
-
丁寧な歯磨き
口腔内を清潔に保つためには、歯と歯肉の間を丁寧に磨くことが重要です。また、ご自身では磨けてない部分に関しては、歯科衛生士のブラッシング指導でお伝えするので、きちんと歯磨きを頑張りましょう。
-
ケアグッズを使う
歯ブラシだけでなく、ワンタフトブラシや歯間ブラシ、フロスなどを使ったケアもおすすめです。ほかにも、フッ素などでしっかりお手入れすることが、虫歯・歯周病の予防につながります。
-
食生活を見直す
毎日の食事の際にも意識してほしいことがあります。お菓子やジュースなどの甘いものを頻繁に摂ると虫歯を発生や進行を助長します。習慣的な間食は控えましょう。
メンテナンスの重要性
歯を失わないためには、定期的なメンテナンスによって予防処置を行って健康な状態を維持し、病気の進行を抑えることが大切なのです。メンテナンスの間隔はその人のリスクや病状によって決まります。メンテナンスが定期的に行われていないと、虫歯や歯周病は再発したり進行したりします。
定期的なメンテナンスを受けている方は、80%以上の子どもが虫歯がない状態で育ち、成人では20年で失った歯の本数が0.5本以下という結果が出ています。また、永く健康を保つことで生涯にかかる医療費を抑えることもできます。
定期的なメンテナンスを通して、いつまでも健康なお口を保ちましょう。